リニアモーターカーで談合が話題になったので「談合とは?」を説明してみた
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社会問題

談合がわからん!
昨年末に世の中を騒がせた大手ゼネコン談合問題ですが、談合談合と言葉だけが先行してしまい、談合って何?何が問題なの?と気になっている方も多いのではないでしょうか。
確かに建設業界や役所に勤めてる人でない限り、談合という言葉に縁がない人も結構多いですからねー。
各新聞社や報道機関も全員が知ってる前提ではなく、素人に分かりやすいよう言葉をかみ砕いて説明して欲しいものです。
とういうわけで、今回の記事では談合を分かりやすく説明し、談合の何が問題なのかを解説したいと思います。
談合の問題点が先延ばしになっちゃってるんで少し読みづらいかもですが、最後までお付合いお願いします!
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談合とは?wiki先生談
企業・事業者が独占目的で行う、価格・生産計画・販売地域等の協定である。特に官公庁などが行う売買・請負契約などの入札制度における事前協定は談合という。
wikipediaより引用
みんな大好きwikiより引用しましたが、正直こんな事言われてもワケわかめw
簡単に言えば、公共工事受注時にはいかなる事前取引もダメー!って意味なんですが、正直これだけだと分かりづらいですよね。
公共工事受注の仕組み
今回のリニアの件は公共工事ではないので、正式に談合と呼ぶかは不明です。
まぁその辺は気にせずいきましょー。
談合を知る前に、まずは公共事業受注の仕組みを知るべし!
これが分からないと談合は理解できません!
道路の補修、役所発注の建物建設など、公共工事と呼ばれる工事はたくさんあります。
役所はその工事業者を選ぶために予算、工事規模、実績などを考慮して、「ねぇねぇ、今度こんな感じの工事があるんだどオタク興味ある?」と、幾つかの業者にあらかじめ声をかけます。
で、その声をかけた業者を一つの会場に集めて、「今から〇〇工事の施工者を決めるオークションやりまーす。我々は一番安い額を提示してくれた業者と契約しまーす。」と、業者同士を競わせる入札コンペを開催するわけです。
なぜこんな面倒なことをするのかというと、一つは公平性を保つため。
もうひとつはコストを抑えるためです。
公共事業は税金事業なので、特定の業者に依存するのは原則NG!
なので、複数の業者に価格を競わせる入札形式が採用されてます、・・・・というのは、あくまで表面上の話。
入札形式が採用されている本当の理由は、発注コストを極限まで落とすことです。
施工業者にとって公共事業は取りっぱぐれが無いため、喉から手が出るほど受注したい案件。
みんなが受注しようと躍起になれば、当然価格競争が勃発しますよね。
公共工事の価格競争は、すなわち最安値競争です。
つまり、役所からしてみれば競わせる事で発注コスト削減につながるわけですね。
なんかイヤらしいw
公共工事入札は事前情報が少ない!
公共工事受注の流れがわかったところで、入札に関して大事なポイントが2点あります。
1)指名された業者は役所がいくらの予算を見積もっているのか分からない。
2)役所が声をかけた業者の数、具体的な業者名を事前に知ることは出来ない。
役所が指名した業者が分かるのは当日会場についてから。
会場で初めて「あそこの業者も呼ばれてたんか!」ってな具合なんです。
ちなみに、役所が用意してる予算に至っては永遠に知ることはできないんですよねー。
役所が参加業者や予算を隠すわけ
では、なぜ役所は指名業者を教えてくれないのか?なぜ予算を教えてくれないのか?
実は、これこそが談合につながる重要なポイント。
まず知っておくべきことは、公共事業のオークションには最高落札額が設定されているという事ですね。
最高落札額とは、「これ以上の価格で入札されても役所は絶対に落札させませんよー」のラインのことです。
前述したように、複数の業者に入札させて最低額を提示した業者と契約するのが原則なんですが、その最低額にも「必ずこれ以上安くすること!でないと契約しないぞ!」という鬼のようなラインが存在してるんです。
最高落札額が100万円だとすれば、入札額が100万円を下回らないと交渉のテーブルにすら付かせて貰えないわけです。
しかも恐ろしいのは、業者側の採算関係なし。
例えば、こんな感じ。
【最高落札額100万円】
【入札1回目】
A社 110万円
B社 105万円
C社 103万円
D社 101万円(これ以上落としたら利益でないよー)
この場合D社が最低入札額を提示しているわけですが、役所が定める最高落札額が100万円なので落札できずやり直し。
【入札2回目】
A社 101万円
B社 97万円
C社 95万円
D社 90万円(もう完全に赤字受注・・。)
最高落札額100万円なので、B,C,D社がその条件を満たし、その中でも最低額を提示したD社が落札って感じです。
この場合、D社は実績作りのために採算度外視の赤字受注ですね。まぁ役所にとってはそんな事情はどうでも良いわけですな。
もちろん最高落札額は事前に知らされません。
だって、最高落札額がバレちゃったら全業者がそのギリギリを狙ってきますから。
役所としては安く発注したいけど、それは発注側の理屈。
受注側としては高く受注した方が利益が出るわけで、最高落札額ギリギリを狙ってくるのはある当然ですよね。
先ほどのD社も最高落札額が100万円とわかっていたら、わざわざ90万円なんて赤字額を提示したりしませんよ。
悪くても90代後半、できれば100ピッタリで落札しようと目論むのは当たり前ですよね。
役所としてコスト削減の観点からこういう事態を防ぎたい。
なので、あらかじめ予算を知らせる事はありえないんです。
一方の参加業者を事前に知らせない理由に関しては、業者同士の事前取引を防ぐ目的があります。
「うちは〇〇万円まで攻めるけど、オタクの予算はいくらなの?」という会話の机下で、「私たちが入札会場でこの額を提示した時はオタクは手を引いてくれ」の意味を込めた裏金が流れるわけです。
公共事業受注において、裏金が流れるのは完全にアウトー!!
公平性という観点からもアウトー!!
なので、事前に参加業者の情報が知らされる事も有りえないんです。
談合は「アウトー!」を侵犯すること
侵犯したからアウトー!なので、アウトー!を侵犯するって変な日本語ですよね。
まぁいいや。言いたい事は伝わるだろう。
さて、冒頭でwiki先生からパクってきた「談合」の説明をもう一度読み返してみましょう。
企業・事業者が独占目的で行う、価格・生産計画・販売地域等の協定である。特に官公庁などが行う売買・請負契約などの入札制度における事前協定は談合という。
wikipediaより引用
「談合」=「官公庁が行う入札制度における事前協定」と書いてありますよね。
つまり、「公共事業における事前取引が談合ですよー」という事が難しく書いてあるわけです。
では、事前取引とはなんなのか?
ここで談合の一例を挙げてみましょう。
役所の建設課・道路課の担当職員に「次の工事はどこが入札に参加するのさ?」と軽くジャブを入れました。
もちろん職員は答えてくれないので、ちょっとオブラートに包んで、
「じゃぁ何社くらいが入札に参加するのさ?」
これでも職員は答えてくれません。
ここで誰にもバレないように胸ポケットから茶封筒を取り出します。
そうすると、はい不思議〜。
職員は「だいたい10社ぐらいじゃないですかー?知りませんけど」と、やんわり答えてくれました。次に「最高落札額っていくらぐらいなの?」と聞いてみました。
当然職員は答えてくれないので、ここでさらに追い封筒。
すると、「だいたい10億円くらいじゃないですか?知りませんけど」と、またもやんわり教えてくれました。
おおよその参加企業、落札金額の情報を知ることができましたー。パチパチパチー。
こんな感じで情報収集役の人間が事前に参加企業、最高落札金額の情報を役所からかき集めます。(もちろん犯罪
あとは調整役の人物が各社の談合担当(もちろん犯罪)に声をかけて、「前回はオタクが〜、今回はウチが〜、次回はそちらが〜」などと話し合い、「じゃぁキミたちは10億円以上で入札してください。私たちは9億9千万で落札させてもらいます。」と、最大限利益が出るような協定を結ぶわけです。
簡単に言えば(?)これが談合です。
税金が投入されてる公共事業において、これは完全にNG。
普通に捕まるやつね。
もちろん茶封筒を受けとり、情報を流した役所職員もアウト。
んでもって、この談合を調整する人物がもし政治家だったら・・・?
・
・
・
そう、談合は政治家の不正献金の温床かもしれないわけですよねー。
談合のメリットって?
談合はお互いの利益を守るために始まったとされています。
いうなれば、お互いがつぶれないように協力しましょう!的な感じ。
大手ばかりが受注してたら中小は潰れちゃうし、大手の受注も1社に偏ってたら他の大手の利益が減っちゃう。
だったら、「大手で公共工事の受注を回して、それを下請けに流せばみんなハッピーじゃね?」という大義があるんです。
いうまでもなく歪んだ大義ですが。
が、実際は調整役の金稼ぎのような気もしますけどね。
ただ、大工事を実績がない企業に任せるのはどうなの?という側面もあるので、談合をなくすのは難しい気もします。
いくら裏でお手手つないでようが、悪さしてようが、実際に建物や道路を使う側の人間にとっては安全が一番ですからねー。
なんとも難しいところです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。
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