理学療法士、作業療法士の給料が安い4つの理由と上げる方法

公開日: : 最終更新日:2017/01/19 コメディカルの仕事、転職、副業

      

病院経営事例集より画像引用)

現状を憂う前に行動を!

いきなりですが、正直リハ業界のお先は真っ暗です。
つーか、給料安すぎやろ!

高学歴とは言えない私たちの給料が安いのはある意味当然なんですけど、それでもやっぱり安すぎる・・。
とはいえ、給料を上げる方法はありますよ。

一般企業で働いていた期間があるので私自身臨床4年目ですが、今現在の手取りは30万を軽く超えてます。

給料が安い仕組みと、上げる仕組み

実際に働いている人で給料の安さを実感している人は多いと思います。
何を隠そう私もその一人。
正直、奥さんもらったらヤバイです。

一人で暮らしていく分には問題ありませんが、結婚して一人で家計を支えていくのはかなり厳しい。

そして、その理由もなんとなくわかってるんです。
わかってはいるけど、自分一人の力ではどうしようもないこともあるわけで。
社会構造を変えるのはなかなか大変ですから。

ただ、なるべく多くの人に給料が安い理由を知ってもらって、“業界内で高い給料をもらうためにはどうしたらいいのか?”、を共有できればと思ってるんで、とりあえず考えられる理由を話していきたいと思います。

給料が安い4つの理由

1、供給過多

簡単に言えば「療法士多すぎ」ってことですね。
この他にも3つほど要素を上げていますが、結局はこの要素が一番大きいと思います。

ただ勘違いしないで欲しいのは、財源に対して療法士が過飽和なだけであって、老人の割合に対して療法士が足りているかは別問題です。
療法士の絶対的な人数が増えた事が原因で財政を圧迫しているって意味です。

ただ、このレベルの話は我々がどうこう出来る話ではないですけどね。

2、生産性が悪いが故に初任給が高い

給料が安いとか文句言ってますが、実は周りの新卒社会人と比べると給料が高いことが多いです。
実際私もそうでしたし、皆さんも同じだと思います。

理由は簡単で、経験年数にかかわらず客単価が変動しにくいからなんです。

現役で働いている方はご存知だと思いますが、リハビリは1日に行える単位数に上限があります。
しかも経験の有無に関わらず請求できる点数も全く同じ。
つまり、ベテランも新人も病院にもたらす金銭的利益は変わりないという事であり、単純に給料の差をつける必要がないんです。
というか、差を付けられないと言った方が正確ですね。

このように、医療系のお仕事は経験者を優遇しにくいのが現状です。
そのあたりは後で計算してみます。

昇給がないのは当たり前の公理

あえて公理と言いますが、昇給は無いに等しいです。
少なくとも私の場合はそうでした。
これは経営者の立場になって考えてみればなんとなく理解できます。

先にも述べたように、リハ業務は生産性が悪い事業なので積極的な投資は賢い選択肢とは言えません。
企業が社会的責任を負わなければいけないと言えど、採算が取りにくい事業に積極的にコストをかけるわけにはいかないんです。

逆に言えば、積極的に投資をしている病院は良い人材が集まりやすいってことになるんですが、実際に積極的に投資を行う施設や病院は少ないのが実情。
医療事業は公費を扱う事業なのでグレーゾーンにも手を染めにくいですしね。

このように理屈では分かっていても納得できない、でも疑ってはいけない。
なんで上がんないんだよ?と聞かれれば「あがらないから」としか言えないわけです。

これは正に公理と言えますよね。

3、1日を通すと1単位あたりのコスパが悪い

医療従事者であれば誰もが知っていると思いますが、医療行為には点数がつきます。
リハ業務の場合は1単位20分で疾患別に点数が振り分けられてますよね。

実は医療従事者と呼ばれる職業で、単位数を行為ではなく時間で計算されるのはリハだけ。
これが給料を考える上で大きな問題点になるんです。

行為の拘束と時間の拘束

当たり前すぎて意外と気がついていない人が多いのですが、処置という作業がないリハ職は時間で点数を計算されます。

例えば、医師であれば切ったら○点、縫ったら○点など、一回ごとの行為に対して点数が支払われるので、医師の技術により時間当たりの点数が変化します。
しかし、リハ職の場合は1単位20分のリハを持って点数が算定されるので、コスパを療法士側のスキルで補うことが難しいんです。
簡単に言うと、拘束時間が不変である上に単位限度が設けられているためコスパが上がらないという事です。

病院側の収入が限られてくるので、必然的に還元できる金額も少なくなるんですね。

4、名称独占は割を食う

名称独占ってことは名乗りさえしなければ誰にでもできる業務ってことです。
言い換えれば、4年もかけて学校に行っているのに専門性を見出しにくい分野とも言えます。

実際、療法士としてのプライドを持ってる人もいるかもしれないですが、世間一般からしてみれば体を触る職業の人はみんな同じマッサージ屋さんですよ。

嘘だと思うなら是非市場調査をしてみてください。
世間のイメージはそんなもんです。
そして、実はこの問題は賃金という観点から見るとすごく重要な問題点。

名称独占は資格所得までのハードルが低いものが多く、必要とあればいつでも量産体制に入れるんです。

そして、人が増えればその分お金もかかり、給与水準が高ければより財政を圧迫してしまいます。
となれば、一定額以上の対価を支払うわけにはいかなくなるわけです。

「だったら最初から低水準にしておけばいいじゃん!」
「それに民間療法でもある程度補えるだろう!」

こう考えるのが官僚制の逆機能ってもん。

つまり、リハビリが名称独占であり続ける限り大金を支払うだけの価値はないと考えられてるわけです。

悲しいかなこれが現実。
お役人の方針がこの体制であり続ける限り、我々は陽の目を見る事はないというわけです。

専門性を見出しにくい事の問題点

専門性を見出しにくということは、言い換えればスキルが評価されにくいということです。

つまり、リハ業界の評価基準は極めて曖昧である事の証明であり、スキル向上のための勉強会に時間を割いていたとしても、その時間はお金という対価を生むものにはならないということです。
儲かるのは主催者だけ。

極論ですが、勉強するだけ時間の無駄ってことにもなりかねないわけです。

こんなことを言ったら反感をくらいそうですが、スキルを評価されにくい業界に身を置きながらスキル向上のために時間とお金を投資して一体何を生むのでしょうか?

自己満?
それとも目立ちたいから?

いやいや、そんなことはないですよね。
やっぱり根底には患者さんが笑顔で生活を送って欲しいという気持ちがあると思います。
いや、あって欲しい。

でも現実問題、患者さんの笑顔や感謝の気持ちで生活するのは不可能。
だからこそ、スキルを正当に評価してもらい、技術にお金を出してくれる環境を求めるべきだと思いますよ。

参考:理学療法士の転職成功例を紹介

 

今の給料は本当に妥当な額なのか?

では、給料の妥当性についての計算をしてみます。

1単位200点を1日20単位行ったと仮定すると、200点×20単位で4万円の売り上げになります。
週5日の勤務×4週とすると実働が20日、単純計算で月間80万円程度の売り上げです

この売り上げから人件費を捻出するわけですが、人件費は手取りの2倍程度掛るのが一般的なので、手取り20万円の人の病院側が負担する人件費は約40万程度。
つまり、月の売り上げ80万円に対して人件費は40万円という事になります。

企業が人件費にどれだけお金を掛けているかを示す指標として、売上高人件費率というものがあります。
売上高の何パーセントを人件費として還元しているかを示す数字なので、パーセンテージが高ければ高いほど、病院側の収益が落ちるということになります。

この場合売上高が80万円、人件費が40万円なのでリハビリ職の売上高人件費率は50%の計算になります。
以下の画像を見て頂ければ分かると思うんですが、50%の人件費比率は至極妥当な額。
これ、あくまで手取り20万円の想定ですからね?

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参照:病院経営事例集

これでは給料を上げようがない。
先ほどまでは考えられる要素を列挙していただけですが、このように数字を見せられるとぐうの音も出なくなります。

現実は残酷だー。

給料を上げる方法はあるのか?

冒頭でも言いましたが、給料を大幅に上げる方法は存在しますよ。

ズバリ転職が一番手っ取り早いです。

ですが、この事に気が付いてる人は意外と少ないですね。
もしくは気がついていても行動に起こせない人がほとんど。

安定という言葉に満足してしまい、長期的な目線で人生を見ることの出来てない人が多すぎです。
というか、物理と同じで安定しているが故に運動性を犠牲にしてるって感じですよね。

私自身一般企業を含めて3回ほど転職経験がありますが、毎回給料が上がってます。
具体的な数字を言うと、3年で約10万円以上上がりましたよ。

転職しないと損をする事例

転職の話ついでにもう少し深いところまで話をしてみたいと思います。

これを読んでくれている人の周りでも転職肯定派と否定がで分かれてますよね?
きっとその人なりの言い分があると思うんですが、私は完全に転職肯定派です。

ということで、転職のハードル云々を抜きにして、転職しない事でどれだけ長期的に損をしているかを考えてみます。

昇給のチャンスは転職の時

前述したように、私は転職する度に平均3万円くらい給料を上げてきました。
この差は意外と大きいですよー。

最初の職場で働き続けてた場合は21万×(12ヶ月×4年)=1008万円です。
一方転職を繰り返した結果、(21万×12ヶ月)+(23万×12ヶ月)+(33万×24ヶ月)=1320万円です。

この時点で約300万円の差があります。
いい車や最高級の時計が買えちゃうくらいの差がありますね。

これにボーナス分が入るので基本給が高ければ高いほど差は広がります。
これが今後30年、40年続いたと考えればその差は歴然。

どう感じるかは人それぞれですが、私自身はかなり大きな差だと感じますねー。

一つの場所に留まるリスクを舐めないほうがいい

そうは言っても転職にリスクは付き物だと思う人も多いと思うんですが、私に言わせれば一箇所で働き続けるほうがよっぽどリスクが高いと思いますけどね。
というか、どっちに転ぼうがそれなりにリスクがあるのは知っておくべきだと思います。

ただ、馬鹿と鋏は使いようで、資格を上手く生かして私のように順調に昇給する人もいれば、それを知らずに損をし続ける人も大勢います。
ちょっと経営者思考で医療・介護保険の締め付けが起こった事を想像してください。

「医療保険制度の改正で職員の給料を泣く泣くカットする必要が出てきた時に医師・看護師の給料カットと、療法士の給料カットどちらを優先します?」

って、こんな質問答えるまでもないですね。

いくらリハビリスタッフが病院集客のキモだと言っても、そもそも医師と看護師がいなければ病院自体が存続できなくなります
となればカットされるのは我々療法士や介護士、事務スタッフの給料でしょう。

このようなリスクを考慮すれば、転職して今よりいい環境を求めるのは最早義務と言っていいと思います。
ちょっと言い換えれば、医療保険領域から介護保険領域の事業に逃げれば安泰とも言えますね(笑

それなのに経験年数という壁が殆どの人の行動を制限しているのが今のリハ業界。

そんなくだらない壁につまづいている間にいつの間に年をとって、転職する事のリスクの方が高まっちゃうんですよ。
動けるうちに動かないとやがて動けなくなってしまうというジレンマ。

何度も言いますが、転職に際して経験うんぬんの余計な考えは必要ないですよ。

1年目でも2年目でも3年目でも、若いバイタリティーを生かしてどんどん職域を広げていくべきだし、逆に10年、20年やってるなら最早何も考える必要は無いでしょう。

正直経験年数なんてスタッフ同士の上下関係を図るためだけのお飾りでしかないです。
そんなクソみたいな価値観は捨ててしまえ!

あなたを評価するのはスタッフ同士ではなく、患者さんや利用者の方ですからね。
この本質は絶対に見失わないようにしてください。

情報の取捨選択はきっちりやったほうがいい

ただ、転職を決意したとしても職場選びが下手くそな人は間違いなく大成しないです。

一例ですが、私の同級生に難関私大を卒業して超大手企業に就職した友人がいます。
あろうことか、そいつ1ヶ月で辞めたんです(笑

理由は「自分の思っていた場所と違った」から。
よくある入社後のギャップに驚愕パターンですね。

ただ、私からして見ればこんなミスマッチは事前の情報収集である程度防げたわけで、情報収集を怠ったツレが悪いとしか言いようがないんです。

このように良い大学を出て大手に就職したのは良いものの、事前認識が甘く早々と転職してしまう人はいつの時代どんな業界にも存在してるんです。

もしあなたが経験の浅いうちに転職を考えてるのだとすれば、おそらく理想とのギャップが大きかったからだと思います。
実際私も最初の職場から転職した時はそうでしたし(笑

こういう無駄足を踏まないためにも、事前の情報収集や情報の取捨選択はきっちりと行っておくべきですね。

正しく情報取集、取捨選択するためには?

1、友人に聞いてみる

自分の希望する職場に友人が勤めている、または勤めていた場合はその人に聞くのが最も手っ取り早い方法です。

単純に内部事情を聞くには持ってこいの相手ですし、待遇面などのリアルな話も聞けると思います。
それに毎年2、3人は内部のコネで入職してくる人っていますから。

職員を紹介するごとに30万円贈呈的します!みたいな感じで、内部のコネ入職を推進している病院も少なからずありますし、まぁ入職ルートとしては有効だと思います。

ただ、希望する職場に友人がいるのか?という問題はありますが・・。

2、実際に職場見学に行く

正直な話、既卒者が見学に来た例ってあまり聞いたことないですが、その気があれば問い合わせするのはアリです。

実際自分の目で見なければ分からないことの方が多いですし、いち早く現場の雰囲気を感じることができるのは大きい。
自分が働く姿とかもイメージしやすいでしょうし。

ただ、リクルートスーツを着た新職員候補の前で現場スタッフがどれだけ本当の姿を見せてくれるかは分かりませんけどねー。
入職後のギャップという意味では見学段階で猫を被る人も少なからずいるはずなので、意外と職場見学はあてにならないかもです。

3、転職エージェントに依頼する

みなさんが転職エージェントの存在を認知しているかは定かではありませんが、私自身は転職するときに必ずエージェントを通して転職しています。

その理由は主に4つ。

1、表に出ない優良求人を扱っているから(非公開求人)
2、転職に関する面倒な調整は全て代行してもらえるから
3、各病院ごとの情報を開示してくれるから
4、給料の交渉を代行してくれるから

まぁ一言で言えばエージェントを通して転職活動をすると楽なんですよ(笑
マッチングから何から全部面倒見てくれるので、自分自身は面接対策だけに力を注げる感じなので。

私個人としては医療は医師に、法律は弁護士に、転職は転職エージェントに相談するべきだと思いますよー。

転職エージェント=キャリアコンサルタント

「転職エージェントって普通の転職サイトとどう違うんか?」

この疑問本当によく聞かれるんですが、リハ業界の転職エージェントは一向に浸透しませんねー。
本当なんでなんだろう。

転職エージェントを分かりやすく言えば、あなた専任のアドバイザーが退職から転職までを一括サポートしてくれるサービスのこと。
転職が不安な人の強い味方って感じです。
エージェントの効果の大きさは私が保証しますよ。

具体的にどの程度面倒を見てくれるのか気になるところだと思いますが、一から十まで全部です。
退職願の書き方、病院とのマッチング、面接の日程調整、職務経歴書の書き方、面接の仕方、これら全ての不安に対してサポートしてくれます。

何より、客観的な視点からマッチしそうな職場を紹介してもらえる利点は大きいです。

一人で転職活動をすると入職後に結構な割合でギャップを感じるんですが、事前にサポートを受けておけば入職後のギャップは確実に減らすことができます。

私自身の経験上ですが、マイナビ医療は病院系、施設系、訪問系に限らずリハ職の転職市場で大きな規模を誇ってます。
もともとマイナビ自体が転職に関して高いノウハウを持っている企業なので、リハ系エージェントとしてはかなりオススメ。
▼マイナビリハビリ公式HP

それと理学療法士WORK作業療法士WORKもオススメですね。
しかもこちらのエージェントは就職後一定期間働けば10万円もらえるというおまけ付き。

そしてこれらのエージェント、どっちも登録してどっちも使い倒してください。
理由は単純で、業者によって扱っている求人や待遇に微妙に差があるからです。

実は転職エージェントってA社とB社に同じ求人が出ていても採用条件が微妙に違う場合があります。
なので面倒くさがらずに複数のエージェントを見比べたほうがいいんです。
それに正直な話アドバイザーの当たり外れもありますから。

せっかくの転職なのに登録を面倒くさがって自分の立場を不利にするのは勿体無いですからねー。

もっと本質的な部分の話をすると、いい給料・いい環境を掴み取るには面倒くさい転職活動を一生懸命やるしか方法はないんです。
たかがエージェントサイトを複数登録する程度の事を面倒くさがってたら転職なんて成功しないですよ(笑

当たり前のようですが、これが転職を成功させるコツです。

まとめ

リハビリ系職業の給料が安い理由をまとめるとこんな感じになります。

国の制度上の問題でリハビリの1単位あたりの点数振り分けが上がらないため、客単価が上がりにくい。このことにより、病院側の収入には限りが出てくる。さらに人件費率が高い職であることも手伝い、初任給からの給料が上がりにくい状態になっている。

今後どうなるかはわかりませんが、社会保障費ががっつり削られたら新卒の給料は下がる一方だろうなーと想像。
さすがに今働いてる人は給料下がらないと思うけど、上がるのはキビシーかなー。

となると、転職しかないなーってことになってしまうんですよね。

後悔しない選択をしたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。

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