公定歩合と政策金利の違いを分かりやすく解説!

公開日: : 最終更新日:2020/12/19 投資の知識

      

意外と知られてない中央銀行の金利

株式投資・為替投資に限らず、様々な投資業を実施していく上で避けては通れない金利のお話。
今回は数多の金利の中でも特に重要とされている「中央銀行が定める金利」について出来るだけ簡潔にお伝えできればと思います。

この機会にぜひ覚えて帰っていだければ幸いです。

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公定歩合と政策金利はほぼ同じ意味

公定歩合とは、中央銀行(日本銀行)が民間銀行にお金を貸し出す際の金利のことです。

政策金利とは、公定歩合などを含めた政府・日銀主導の金融政策の総称のようなものです。

ちなみに現在は公定歩合という名称は廃止され、「基準割引率および基準貸付利率」に変更されています。

公定歩合をコントロールすると何が起こる?

公定歩合を引き上げた場合

公定歩合は日銀が民間銀行にお金を貸す際の金利のことなので、引き上げを行えば民間銀行は中央銀行からお金が借り難くなります。
そうは言っても民間銀行も商売を続ける必要がありますから、たとえ高金利でもお金を借りてこなくてはいけません。

そのような高金利の状態で民間銀行が日銀からお金を借りてくると何が起こるでしょうか?

答えは、民間銀行が個人や企業に貸し出す際の金利が上昇する、です。
民間銀行は日銀から借りた原資+自行の利益分を個人や企業に貸し出したお金から回収しなければなりませんので、通常より金利を高く設定するようになります。

となれば、今度は個人や企業がお金を借りなくなるわけです。
「今は金利が高いからもう少し安い金利でお金を借りられるまで待とうかな」的な。

これを言い換えれば、消費行動が抑えられると言えます。

消費行動が抑えられれば物価は当然下がりますよね。
誰も買ってくれないわけですから、売る側は値段を落とさざるを得ないからです。

このように中央銀行が金利を上げることで、上がりすぎた物価を落ち着かせることができるのです。

公定歩合を引き下げた場合

公定歩合を引き下げた場合、先ほどとは真逆の動きが起こります。

中央銀行の金利が低くなる⇨民間銀行がお金を借りやすくなる⇨個人や企業が低金利でお金を借りれる⇨消費活動が活発化される⇨物価が上がる⇨景気低迷から脱出!

的な感じになるわけです。

政府が公定歩合をコントロールする背景にはこういう意図があるんです。

公定歩合の名称が変更された理由

前述したように、現在は公定歩合は廃止され「基準割引率および基準貸付利率」という名前に変わりました。

なぜなら、公定歩合で民間銀行の金利をコントロールすることが不可能になったからです。

1994年以前は公定歩合と銀行金利は連動しており、公定歩合の上げ下げで銀行金利をコントロールすることが可能でした。
しかし94年以後民間銀行の金利自由化が進み、公定歩合で銀行金利をコントロールすることが実質的に難しくなったのです。

公が定める歩合が歩合として機能しなくなったため、「基準割引率および基準貸付利率」というそれっぽい名称に変更されたわけです。

とはいえ、「中央銀行が民間銀行に貸し出す際の金利」という意味では公定歩合と全く同じ機能を有しています。
日銀の金利と銀行の金利が連動しなくなったため、公定歩合で直接民間銀行の金利コントロールが不可能になったという話ですね。

日銀はいまどのように金利をコントロールしてるのか?

日銀が金利を操作して景気をコントロールするという構造はとても解りやすかったと思います。
しかし現在は金利自由化により日銀の金利操作で景気をコントロールする事が不可能となったため、日銀は新たに「量的緩和策」という金融政策を打ち出しました。

量的緩和とは、世の中に流通する日本円の総量を日銀主導でコントロールしてやろう!という政策です。

金利をコントロールする「質的」な政策に対して、総量をコントロールする「量的」な金融政策なわけですね。

量的緩和を分かりやすく説明すると・・・

日本が国民に借金をしているというお話をどこかで耳にした経験があると思います。

しかし皆さんは日本にお金を貸した覚えがあるでしょうか?
大半の方がありませんよね。
ではなぜ国民に借金をしていると言われるのか?

それは日本が発行した国債の殆どを民間銀行が買い入れているからです。

民間銀行が国債を買い入れる原資は当然皆さんの貯金です。
つまり、皆さんは間接的に日本に金を貸していると言えるわけなんです。

量的緩和とは、その民間銀行が保有する国債を日銀が買い取ることを指します。

その目的は無担保コール翌日物の金利をコントロールする事にあります。

銀行は常に大量の現金を所持しているわけではないので、時に現金不足に陥る事があります。
そのような自体が発生すると、金融機関同士でお金を融通し合う事が多々あります。

金融機関同士でお金を貸し借りする市場の事をインターバンク市場やコール市場と言います。
また金融機関はお互いに高い信頼性があるので、無担保で翌日までお金を貸しあったりしてるわけですよ。

そのコール市場の金利のことを「無担保コール翌日物」といます。

簡単に言えば、金融機関同士の金の貸し借りにかかる金利のことですね。

時系列でまとめると、

皆さんが銀行に金を預ける

そのお金を原資として民間銀行は国から国債を買う

その国債を今度は日銀が買い取る

日銀が国債を買い取る事で民間銀行にはお金が流れる

銀行に金が溢れれば銀行同士の金の貸し借り(無担保コール翌日物)の金利が下がる

銀行全体の金利が下がる

個人や企業が金を借りやすくなる

経済が活発に動き始める

こういう構図が出来上がるんです。

日銀が国債を通じて日本円の総量をコントロールし、銀行間取引での金利を下げることで公定歩合に変わる金利誘導を実施しているのです。

これが量的緩和になります。

私の説明が下手なこともあり、少し複雑で難解な話かもしれません。

鋭い人は矛盾に気がつくはず

さて、鋭い人は量的緩和に大きな違和感を抱いたはず。
その違和感は「日銀が国債を買い取る」という一文ではないでしょうか?
もしそうだとすれば、あなたの違和感は正しいですよ。

そもそも国債は国が発行するものですよね。
一度民間銀行に渡ったとはいえ、その国債を日銀が買い取るというのは大きな矛盾があります。

そもそも国債とは、一定期間を過ぎれば全額償還が保障されている証券。
当然、証券ですから発行元(国)が買主(銀行)に対して償還を保障するものです。

ですので、準政府機関である日本銀行が国債を買い取るというのは、「自分で作った借金(国債)を自分で買い取る」という意味不明な状況になってしまうのです。

さらに深刻なのは、国債の買い入れには上限があるということです。

国が発行する国債にも限りがあります。
仮にその国債全てを日銀が買い取ってしまった時、日銀は民間銀行から買い取れる証券がなくなってしまいますよね。

日銀は民間銀行から国債を買い取ることでコール市場の金利を操作しているわけですから、買い取る国債がなくなってしまえばコール市場への介入が難しくなってしまいます。
そうなると、日銀から民間銀行へのお金の流通量が減ってしまいコール市場の金利が上昇することに繋がります。
コール市場金利が上昇すれば個人や企業への貸付金利上昇に繋がり、いずれ消費活動が低下し景気が低迷してしまいます。

このように、量的緩和政策はいずれ手詰まりになる可能性があるというわけです。

国債買い入れを開始してから3年以上経ちますが、来るXデーまでに物価上昇率2%を達成することができるのでしょうか?
もし物価上昇率を達成できないのであれば、消費増税はとどまるべきなのかもしれません。

それとも質的・量的に変わる第3の緩和策が出てくるのか?

今後の日銀の対応に注目したいところです。

まとめ

最終的に話が複雑になってしましましたが、公定歩合と政策金利の違い、そして量的緩和は諸刃のつるぎであるという事が理解していただけたでしょうか?

物価上昇率を上げるためには、銀行金利を下げるだけでダメです。

我々消費者がたくさんお金を使わないと決して物価は上昇しません。

さあ貯金をやめて散財だ!

豪遊、豪遊、豪遊!!!

ではまた。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。

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