症例レポートが書けない!理学療法実習をスムーズに攻略するには?

公開日: : 理学療法学生向け

      

レポートには攻略法がある!

実習中の学生の皆さんこんにちは、新常です。

理学療法実習の最大の敵といえば症例レポートですよね〜。

今まで座学で得た知識を総動員して必死で書き上げた初めてのレポート。
しかし、無情にも真っ赤になって返ってくる。

添削された部分に加筆修正し、後日再提出。
すると新たな箇所が添削されて返ってくる・・・。

こんな終わりのない再提出ループに辟易しているところでしょう。

「こいつ俺のこと嫌いなんじゃないか?」
「そんな憎まれることしたか?」

なーんて軽い鬱になっている人も少なくないでしょう。

安心してください、吐いてますよ。

なんてね。

ですが、添削されるということは、少なからず貴方の書いたレポートに問題があるはずです。

解釈が曖昧だったり、検査項目を生かしきれてなかったり、根拠が希薄だったりと、理由は様々だと思います。

その中でも特に感じるのは、「ミッシングリンクがクリアになってない」という事です。

ミッシングリンクさえ明確になれば、必ずやレポート作成が楽になる事でしょう。

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ミッシングリンクとはなんぞや?

ミッシングリンク(missing link)とは、失われた関連性とでもいいましょうか。

ちょっとwiki先生に知恵をお借りしまーす。

生物の進化を例にした場合、それを乱暴に要約すると、「種族A」→「種族B」→「種族C」の順に進化する過程があったとする。その過程で、この種族の形は次第に変化するが、Bを飛ばしてAとCを見比べると、その間に劇的な変化が発生しているようにみえる。

このとき、その劇的な変化の中間に位置すると推測できる「種族B」がどのような存在であったか、また、そもそも種族Bという存在があったのかどうかすらまったく不明な状態において、そこから仮定されるBがミッシングリンクである。別パターンとして、「種族C」という存在は確認されているが、それ以前の始祖がどのような形態であったのかが不明なケースもある。

wikipedeiaより引用

意味わかりましたか?

まぁ簡単に言えば、携帯電話がガラケーからスマホに進化した過程で、その中間的存在があったのではないか?ということですね。

ガラケーからスマホへ突然進化した場合、その変化は劇的に感じますが、仮にその中間が存在したとすれば、実は段階的な変化だったと解釈できますよね。

つまり、ミッシングリンクがクリアになることで、変化に対する矛盾が少なくなるわけですね。

理学療法的ミッシングリンク

例えば、脳梗塞で歩行困難になった人がいたとします。

この場合、大局的には脳梗塞が原因で歩行が困難になったと解釈しますが、これではミッシングリンクが明確になっていません。

「脳梗塞が原因で歩行困難を呈してます!」

なんて自信満々に答えたら、それこそ「あんた何勉強してきたの?」って笑われますよ。

あくまで脳梗塞は運動障害のきっかけになるだけであり、その人が歩行困難を呈している理由はもっとミクロな視点で見る必要がありますよね。

「脳梗塞⇨○○○(ミッシングリンク)⇨歩行困難」

といった具合に、脳梗塞が人体のどこかしらに影響を及ぼしているので、歩行困難を呈すわけです。

例えば、ミッシングリンクが股関節の可動域制限だとします。

「脳梗塞が原因で股関節のROM制限をきたし、歩行困難を呈した。」

この説明ならミッシングリンクが明確になってない時と比べ、はるかに矛盾が少なくなったと思います。

しかし、臨床のPTが求めているのはもっと追求した内容です。

「脳梗塞⇨○○○⇨股関節のROM制限⇨歩行困難」

こんな感じで、ROM制限が出現した理由を求められます。

仮に股関節周囲の緊張が高まっていた場合、さらに矛盾が少なくなりますよね。

「脳梗塞⇨股関節周囲の緊張が上がる⇨股関節にROM制限が出現⇨歩行困難」

問題点が先ほどよりも更に明確になってきましたよね?

この作業をさらに続け、緊張が高まった原因は?姿勢が悪いからか?だったらその原因は?と追求していくと、最終的に「脳梗塞が原因で」の言葉に帰結するわけなんですね。

ミッシングリンクを解明するには文献を読み漁るしかない

さて、ミッシングリンクを解明する意義は理解して頂いたと思いますが、ここで問題になるのは、「ミッシングリンクを明快にするための知識を持っていない」という事ですよね。

関節可動域制限が歩行にもたらす影響が分からなければ、歩行困難には繋がらないでしょう。

緊張が高まる事で関節可動域に制限が出る事が証明できれなければ、ただの妄想でしかないでしょう。

だからこそ、沢山の文献を読んで検査結果と現象をリンクさせる必要があるわけです。

関節可動域と歩行動作の関連が書かれている文献を探せば簡単に証明できますし、もしそのような文献が無ければ、歩行動作に必要な関節角度を調べるのも一つの手でしょう。

症例レポートにおいて、手持ちの情報と実際の現象をつなぎ合わせる作業は絶対に必要ですし、その接着剤となるのは知識ではなく文献なんです。

つまり、客観的に現象と検査結果の整合性を証明できれば勝ちなんですよ。

これが私が学生の頃に実践していたレポート攻略思考です。

まとめ

症例レポートを書くために必要な考え方をお話ししましたが、何となく分かって頂けましたか?

理学療法実習を難なく乗り切るために必要ななのは、現象から原因を妄想する「妄想力」と、その妄想を客観的に証明する「文献探し力」につきます。

レポートで添削を食らいまくる人の特徴は、自分の意見に固執し過ぎていて客観性がない場合か、掘り下げが足りず容量不足な場合のどちらかです。

それを改善するためには、「この事象はA⇨Cで決まりでしょう!」といった短絡的な思考ではなく、「A⇨Cの中間には何かが隠されてるんじゃないか?」といった疑いの思考を持つ事です。

その思考を持つ事で飛躍的にレポートの質は向上し、添削も減る事でしょう。

ではまた。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。

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