【株式投資】有限責任・無限責任とは?

公開日: : 投資の知識

      

会社法の基礎中の基礎知識

株式に興味のある皆さんこんにちは。
新常です。

今日は、株式を知る上でとっても重要な概念である、「有限責任」のお話をしてみます。

実際の株式投資に直接的に役立つ知識ではないかもしれませんが、株式投資をする上で株主の責任というのは知ってて損はないでしょう。

では、レッツラゴー。

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会社は大きく分けて4種類

まず、会社の基本的な分類のお話を。

会社法上、会社は4つの分類に分けられます。

まず、大きな括りとして「株式会社」と「持分会社」。
さらに持分会社は、「合資会社」「合名会社」「合同会社」の3つに分けられるので、これに株式会社を足せば、会社は全部で4つに分けられる事になります。

そして、「株式会社」と「合同会社」は、それぞれ「有限責任」を負います(会社法104条、576条4項)。
合名会社は無限責任を、合資会社は有限・無限の両方の責任を負う事になります(会社法576条2項、3項)。

では、有限・無限責任とは、一体なんなんでしょうか?

無限責任は青天井

無限責任とは、その名の通り「無限に責任を負う」という意味です。
では、何に対して無限に責任を負うのか?

それは、会社の負債に対してです。

例えば、あなたがA合名会社の持分を家族と共同で持っていたとします。
しかし運が悪いことに、そのA合同会社の事業はことごとく外れ、最終的に1億円の債務を抱えたままポシャってしまったとします。

この場合、この1億の借金は誰が返済するのでしょうか?

はい、その通り。
持分者全員で、何とかして返さなければなりません。
まさに、A合同会社の負債の全責任は、持分者であるあなたや家族に問われる事になるのです。

有限責任は有限です。

一方で、有限責任の場合は、「有限に」責任を負う事になります。

ここで、会社法104条の条文を見てみると、

「株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする」

と書いてあります。

引受価額=出資額だと思ってください。

これを条文に当てはめてみると、「株主の責任は、その有する株式の出資額を限度とする」と読み替えることができます。
ここまで訳せば、なんとなく分かりますよね。

つまり、仮にあなたがX株式会社に100万円出資したとします。
その後、残念なことに会社が100億円の負債を抱えてポシャッリました。
その場合、出資した100万円は戻ってきません。
ですが、それ以上に支払いを求められる事もありません。

すなわち、100万円を限度として、有限的に責任を果たしたという事になるわけです。

これが「有限」責任です。

一方、前述したように無限責任の場合は、負債額は丸々持分者の責任になるわけですから、恐ろしい話です。

なぜ、株式会社は有限責任なのか?

では、なぜ株式会社は有限責任なのでしょうか?

これは会社法が予定している株式会社の性質を分析すると、何となく理由がわかってきます。

そもそも、株式会社というのは「大規模な事業を展開する」会社を予定しています。
となれば、それだけの資金需要があるわけです。

しかし、世の中はお金持ちばかりではないですから、やみくもに出資を募っても中々お金は集まりません。
おまけに、会社に投資をするということは、実質的に会社のオーナーになるわけですから、責任の重い立場になるという事でもあります。

つまり、大規模な事業を行う場合には、

1、資金集めをどうしようか?

という問題と、それに付随して、

2、資金を集めるには責任を明確にしなくては!

という問題があるわけです。

で、それを解決するために考え出されたのが、「株式」という形で出資を募り、「責任」の範囲を限定することで、出資に対する心理的な障壁を下げる、という手段だったわけです。

これが「有限責任」の本質的な部分です。

みなさんが、証券会社を通じて気兼ねなく株式売買が出来るのも、その責任が明確になっているからなんですねー。

まとめ

というわけで、個人的にはかなりコンパクトに「責任」を語れた希ガスるのですが、いかがでしたか?

これ以外にも「株式」ってなんぞや?

「間接責任・直接責任」ってなんぞや?

など、語り始めたらキリがないので、それはまた別の日に譲ります。

もし会社法に興味があれば、リークエの会社法がオススメでーす。 この本なら、初学者にもわかりやすいですよー。

というわけで、今日はこんなところで、さよなら〜。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。

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