元理学療法士が考える野球における投手の球速の上げ方

公開日: : 最終更新日:2020/11/27 球速アップトレーニング, 西武ライオンズ

      

スピードを上げるにはどうするべきか?を考える

こんにちは。

私は野球ファンであり、西武ライオンズファンであり、元理学療法士であり、現在は法律家を志している変な人です。

今から、元理学療法士であり野球経験者である私が、「球速の上げ方」を考えてみたいと思います。

ちなみに、ここから先の内容は全て私見ですのであしからず。

仮に万が一、いや億が一現役の選手が目にする機会があるかもしれないので最初に断っておきます。

あくまで参考程度にしてくださいね。
基本はチームの方針にしたがってください。
その方針に従いつつ、自分で不足を補うためにこの記事を参考にするときはコーチやトレーナーさんの指示を仰いでからにしてくださいね。

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投手の球速源は速い腕の振りだと思ってる

私は投手が速い球を投げるのにもっとも手っ取り早いのは、腕を振る速度を上げることだと思っています。

大谷投手やダルビッシュ投手、千賀投手らの腕の振りの速さを見てもハッキリと他と違うのがわかると思います。

下半身や体幹の強化は、あくまで腕を早く振るための土台作り。

球速アップの本質的要素は、腕を振る速度だと感じています。

変な例ですが、バッティングセンターとかにあるアーム型の投球マシーンをイメージしてください。

ボールが発射台に固定されアームがぐる〜っと回ってボールが投げられるわけですが、そのアームの回る速度に球速って依存してますよね。

ゆっくり回れば遅いし、早く回れば速い。

これは人が球を投げるときも全く同じです。

だから、速い球を投げたいなら「腕を速く振るにはどこを鍛えればいいのか?」を考えるべきなのです。

もっとも、それなら体幹や下半身は鍛える必要がないじゃないと思われがちですが、その認識は100%誤りです。

アームが回って速い球を投げられるのは、その土台がしっかり地面に固定されているからです。

土台がグラグラなのにアームだけ速く回ってしまえば、アームの力が球に伝わらないだけでなく、制球も非常に不安定になるのは想像に難くないでしょう。

地震が発生している最中でしっかりと制球された速い球が投げられますか?

無理ですよね。

つまり、土台がしっかりしていない状態では速い球は投げられない、あるいは投げても制球が不安定ってことです。

だから、速く腕を振るための前提としてまず土台がしっかりしていることは超重要。

その上で、速く腕を振るためにはどうしたらいいのか?というのを考えていく必要があるということです。

肩関節は不安定

というわけで、まずは肩関節の構造から簡単にお話しします。

肩関節は人体の関節の中でも希少な球関節と呼ばれる多軸関節です。

球関節とはその名の通り、球状の関節のこと。

多軸関節とは様々な方向に動く関節という意味です。

このへたくそな絵は、右肩関節を正面から見た絵です。

絵の通り、肩関節って丸いんですよ。

だから球関節。

で、球関節というのは非常に自由度が高く様々な動きが可能なのが最大の特徴です。

投球動作なんてモロにその恩恵を受けてますよね。
肩グァングァン回しますから。(シコースキーか

ただ、関節の自由度が高いというのは裏を返せば不安定ということです。

学生の頃運動と安定は表裏の関係にあるって習ったと思うんですが、それは人体における関節でも全く同じことが言えます。

肩関節は安定を犠牲にして運動性を究極まで高めた関節なんです。

肩関節は障害が起こりやすい

肩関節はとても不安定な関節とお話ししましたが、不安定がゆえに障害がとても起こりやすい関節です。

まぁ当然ですよね。

自由度を高めるために必要な筋や靭帯が最小限に留められているわけですから、その分他の関節よりも負荷に弱いわけですよ。

ゆえに肩関節は障害が非常に多いわけです。

もう少し簡単に言い換えれば、肩関節の自由なきに耐え得る筋力がない時に障害が起こりやすくなるという感じです。

野球選手であれば、速い球を投げるために強く腕を振りますよね。
その腕の振りに肩周辺の筋力がついてこれなくなれば、当然障害が発生します。

だからこそ、肩関節周囲の筋力は積極的に補強をしてあげる必要があります。

もっとも、運動と安定はバランスが大事です。

ようは自由度が高すぎれば不安定になるからダメ、安定性が高すぎれば自由度が落ちるからダメ。

この両者のバランスをいかに図るかということです。

鍛えすぎてもダメ、鍛えなさすぎてもダメ、非常に繊細なバランスで成り立つのです。

どこを鍛えれば腕を速く振れるのか

それでは本丸に飛び込みましょう。

いいですが、あくまで私見ですから全てを鵜呑みにはしないでくださいね。

上腕三頭筋

私は、腕の振る速度を上げるためにもっとも重要な筋肉は「上腕三頭筋」だと思っています。

この筋肉は力こぶが出来る場所の裏側についている、主に肘を伸ばすときの筋肉です。

私は野球における投球動作では、腕を振るというよりも肘から先を振るというイメージの方が言葉としては正しいと思っています。

投球動作をスローで見るとわかると思いますが、球が指先からリリースされる少し前に曲がった肘が一気に伸ばされるのがわかると思います。

肘を支点としてボールが円の外周を描くイメージですね。

その時に速い速度で肘を伸ばせば伸ばすほどボールと指先に強い遠心力が生まれ、リリースの直前でもっとも腕が加速した状態で球が放たれるわけです。

したがって、球速アップはいかに肘を速く伸展させることが出来るか、が重要であるといえるのです。

また、上腕三頭筋を鍛える際は必ず上腕二頭筋も一緒に鍛えることをお勧めします。

なぜなら、伸展方向ばかりに力が強くなり肘に大きな負担が生まれるからです。

肘の伸展筋が相対的に強くなりすぎないようにするためにも上腕二頭筋はしっかりと補強しましょう。

まずこれが一つ目です。

回旋筋群

次に重要なのが、肩関節回旋筋いわゆるローテーターカフと呼ばれる筋肉群です。(インナーマッスルと呼ばれることが多いかも)

この筋肉は肩関節の安定性を高めるために非常に重要な役割を担っています。

この筋肉群が弱いと、強い肩周囲への負荷に肩関節が自体が耐えきれなくなり肩が終わります。

少し話が戻りますが、先ほど肘から先の素早い動きが重要だと話しました

その速い動きを支えるのは下半身であり、体幹であり、何より肩関節の安定性なんです。

アームマシンの話を思い出してください。

しっかりした土台があるからこそ、安定して強くアームが回るって話しましたよね。

それは投球動作における肩と肘の関係でも同じことが言えます。

肩がしっかりと固定されるおかげで、肘から先は素早い運動をすることができます。

また、体幹がグラグラだといくら肩を強く固定しようと思っても出来ませんよね。

だから体幹の力が必要なんです。

そして、体幹がいくらしっかりしていても足の力が弱ければ、上体がブレてしまいますよね。

だから下半身の強化が必要なんです。

土台を鍛えるというのはこういう所に影響を及ぼすわけですね。

そのことを意識しながらトレーニングに励んでみてください。

菱形筋・広背筋

先ほど速い球を投げるには指先とボールに強い遠心力をかけることが大事だとお話ししました。

その遠心力を発生させるためには胸を強く張る必要があります。

胸を強く張れればその分胸が縮まる反動で腕の振りが加速し、結果的に強い遠心力を生むからです。

ちょっとその場で大きく胸を張ってみてください。

張りましたか?

どうでしょう。

両方の肩甲骨が背骨に近づいた感覚はなかったでしょうか?

胸を張るというのは、同時に肩甲骨を背骨に近づける動きでもあるのです。

つまり、肩甲骨が背骨に近づくための筋力を鍛えることで強く胸が張れるようになるわけですね。

それが菱形筋や広背筋なのです。

あとおまけですが、胸を張った際に両手を広げながらやった方も多いのではないでしょうか?

その時に肘が肩より上に上がっていた方はどのくらいいたでしょうか。

あまり意識しなかったかもしれませんので、その場でもう一回自然な形で強く胸を張ってみてください。

肩より肘が上に上がった方はほとんどいなかったのではないでしょうか?

いやいや、それでいいと思います。
人体の構造上それがもっとも自然な動きです。

で、これを投球動作に置き換えると、あら不思議。

肩より上に肘をあげて投げろって指導された人多いんじゃないですか?

投球動作においてもっとも胸を張る瞬間は、踏み込む足が地面に着く直前です。

この時に肩より肘が上にあるのは、実は構造上非常に窮屈な形となってしまいパワーが生まれにくくなります。

それどころか、肘を高く上げることを意識しすぎて肘抜きのような形になってしまい、トップの位置が完成するのが遅れます。

これは体の回転に対して肩の運動が遅れてしまい、肩関節の前方部に非常に大きな負担がかかります。

にもかかわらず、少年野球の指導者はやたらと肘の位置を高くすることを指導してしまいます。

確かに腕が遅れることにより球の出所は醜くなるかもしれませんが、怪我と表裏一体なので指導には慎重になってもらいところです。

前鋸筋

この筋肉は肩甲骨の裏側、肋骨に沿ってくっ付いている筋肉です。

私はこの筋肉を通称ボクサー筋と呼んでいます。

なぜなら、この筋肉はパンチのもう一押しに作用する筋肉だからです。

肩甲骨をもう一押し前に出す筋肉なので、投球動作においてはリリースの瞬間の最後の一押しに作用するといった感じです。

この筋肉も非常に重要なので球速アップには重要な役割を持つ筋肉と言えるでしょう。

股関節内旋筋・外旋筋群

さっきから散々肩の話ししてましたが、今度は足の話です。

肘の伸展速度を上げるためにもう一つ必要なのが、体を素早く回す動きです。

感覚で分かると思いますが、腕だけでボールを投げるより体全体の反動を使って投げた方が強く速い球がいきますよね。

なので、肘から先の加速に頼るのではなく、体全体を使って肘の伸展動作がより早くなるようにサポートする必要があります。

そのために必要なのが、股関節を内旋させる筋肉の強化です。

股関節内旋とは、股関節を内側に絞る動きのことです。

仰向けになった状態で股関節と膝を伸ばしたままつま先を内側に向けてみてください。

それが股関節の内旋です。

で、そのまま足を曲げてみてください。

内股になりましたか?

それが股関節内旋位です。

この動きが投球動作時のどの部分に影響するかといえば、踏み込む足が地面について体が回旋するときに作用します。

実際にやってみると分かると思います。

踏み込んだあと体を回転させながら腕を振りますよね。

投球における体の回転は縦に近い斜め回転なので、体が踏み込んだ足の方に向かってねじれながら折りたたまれるように回転していきます。

この一連のねじれ折り曲がり動作は脊椎の回旋だけではなく、股関節の屈曲・内旋・軽度内転により行われます。

なので、投球時に体の回旋で意識するのは上体ではなく、むしろ股関節の回旋なんですね。

右投手なら左膝と右膝が勢いよくぶつかるくらいにクッと股関節から捻る感じ。

足を踏み出した状態から両手で重たいハンマーを左足の外側に思いっきり振り下ろすイメージです。

重いハンマーを振り下ろすには上体だけでの力では難しく、必然的に股関節主導で体を回旋させなければ振り下ろせないので下半身から体を回旋させるイメージがとてもしやすくなります。

で、この股関節主導で体を回旋させるために必要な筋肉が股関節の内旋筋群というわけです。

無論内旋筋のパワーを最大限に生かすために外旋筋の力も重要になりますから、同時に鍛えておくと良いでしょう。

大殿筋・大腿四頭筋・大腿二頭筋

最後はケツとももの筋肉。

まぁこんなのは散々やらされてるでしょうから、今更鍛えろとは言いません。

ただ、なぜこの筋肉を鍛える必要があるのかは考えておくべきです。

まず、足が地面に着く時に一番最初に働く筋肉が大殿筋です。

つまり大殿筋がヘナチョコだと、踏み込み足が地面についた瞬間から土台がグラグラ確定演出なわけです。

制球バラバラ、強い球いかないが決定するわけですよ。

だから大事なのよ。

いいですか、大事なことなのでもう一回。

浮いている足が地面について最初に反応する筋肉は大殿筋です。
だから、まずは大殿筋がしっかりしていないと話になりません。

次に大腿四頭筋と大腿二頭筋。

この筋肉は太ももの前と裏側の筋肉のことです。

この二つの筋肉は「二関節筋」と言って、股関節と膝関節の二つの関節にまたがってくっ付いています。

ゆえに、これらの筋肉が弱いと股関節・膝関節両方の関節が不安定になってしまい、上体に大きなフラつきを生んでしまいます。

で、この筋肉は主に投球動作時においては、踏み込んだ後にボールがリリースされまでの踏み込み足の固定に大きな役割を果たします。

踏み込んだ直後は大殿筋が反応しますが、重心が前にいくにつれて徐々に太ももの筋肉が反応しだします。

その時に太ももの筋肉が弱いと、膝が左右にブレてしまいます。

もう分かりますよね。

膝がぶれるということは土台がブレるということ。
床を蹴る力が損なわれますから、体重移動による回旋の加速の恩恵を全く受けられなくなります。

つまり、強く腕が触れなくなるわけです。

また、二関節筋であるがゆえに大腿四頭筋・大腿二頭筋由来の膝のブレは当然に股関節のブレにもつながってしまいます。

こうなれば下半身・上半身は固定されなくなりますから、腕の速い振りなんて夢のまた夢です。

逆に、しっかり踏み込み足が固定されればモロに床半力の影響を受けるので、いわゆるキックバック動作が起こりやすくなります。

ぜひ一流選手の投球をスローで見てみてください。

踏み込んだ足がしっかりと固定されてブレないのが分かると思います。
下半身のブレがなければ当然上半身のブレも少なくなって、より安定して速く腕が振れるようになるわけです。

まとめ

というわけで、元理学療法士の私が考える球速アップのために鍛えるべき筋肉をあげてみた所存です。

なんか最初に肩関節の解説した意味あんまりなかったけど、まぁ知識の足しにしてください。

野球に関しては素人なので技術指導なんて偉そうなことはできませんが、動作分析に関してはこれまでたくさんやってきた経験からそれなりに自信があります。

理学療法士の仕事は、特定の動作から鍛えるべき筋肉を探り出して動作改善につなげていくお仕事です。

その経験上から、強く速い球を投げるためには上であげた筋肉をより鍛える必要があるんじゃないかと考えました。

また、我々理学療法士は(元だけど)、なぜその筋肉を鍛える必要があるのかを相手に伝えながら指導します。

それは相手にしっかりと伝えることで意識が変わり強く重要性を認識してもらえるからです。

なので、トレーニングをするときは是非投球動作のどこに影響するのかを意識しながら臨んでください。

そうすれば、効果は何倍にも上がるはずです。

PS,しつこいようですが、あくまで素人の意見なので参考程度に留めてくださいね。

それでは。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。

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