「無痛」を読んで久坂部羊の描写力に吐きそうになった

公開日: : 最終更新日:2017/04/06 オススメの小説など

      

医療×ミステリー=エグい

私は最近純文学にはまっていて、川端康成、夏目漱石、安部公房、三島由紀夫、谷崎潤一郎ら、純文学を代表する作家の作品をここ半年で一通り読み漁ってきました。

そんな純文学ブームが起こっている中、実家の本棚に見慣れない小説が並べられているのを見つけました。

「無痛」

そして、後にこの小説を読み終えた私は、作者の描写力の高さに吐きそうになるのであった。

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「無痛」のあらすじを簡単に

この作品の内容を番宣っぽく書くと、

「神戸で起きた一家4人の惨殺事件。現場に残されていたのはSサイズの帽子と27㎝を超える大きな足跡。明らかに矛盾した証拠により捜査は難航。しかし、ある証言により捜査は急展開を見せる。14歳の自閉症を抱えた少女が自らの犯行だと自白したのだ。だが、外見だけで病気が見えてしまう医師・為頼の診察により別の人物の犯行の可能性が浮上する。少女の正体、裏で動いている大きな陰謀、そして、為頼が見た事件の真実とは?」

と、こんな感じの内容。
うまく伝わらなかったらすいません。


無痛 [ 久坂部羊 ]

とにかく描写がグロい

この作品の作者、久坂部羊さんは大阪大学医学部を卒業した現役の医師の方。
ですので、小説内にはたくさんの専門用語が出てきます。

そして何より、医療現場を経験しているからこその“高すぎる描写力”に吐き気感じる人も少なくないかもしれません。

久坂部さんの文章力の高さも相まって、所々出てくる殺人現場の描写がとにかくグロい。

飛び出た脳みそ、意識がある中で腹を切られ殺される被害者、手を切断された刑事など、その一つ一つのシーンが鮮明に表現されているので、比喩ではなくガチで吐きそうになります。

これらは、実際の医療現場を知っているからこその描写力と言えると思います。

文章力が高く、読ませ方がうまい

この作品、文庫本サイズで650ページくらいある長編小説なんですが、長さを感じさせないくらいアッという間に読み終えてしまいました。
時間にして12時間程度でしょうか。

段落ごとにシーンが次々変わるのですが、そのストレスを感じさせないくらい自然な流れで描かれており、いつの間にか作品の世界観に引き込まれてしまいました。

私もこの方の文章力が欲しい・・・。

きっと皆さんも読み始めたら止まらなくなっちゃいますぜ。

タイトルの「無痛」とは?

少しネタバレになってしまうのですが、この作品の鍵を握る病気の症状です。

いわゆる「先天性無痛症」ってやつです。

この症状が連続殺人とどのような関連を持つのか?
それは実際に読んでみてくださいな。

面白さは私が保証しますよ!

まとめ

さて、簡単ではありましたが、オススメの小説について書いてみました。

この作品は、小説が苦手な人でも一気に読める、非常に素晴らしい作品だと思います。
冒頭から一気に引き込まれると思いますよ。

是非、時間を見つけて読んでみては?

では

最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。

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