池井戸潤のオススメ小説ベスト5を紹介!
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オススメの小説など

池井戸潤を読もう!
池井戸潤さん小説の醍醐味と言えば勧善懲悪。
どの作品を読んでも作風が一貫しており、逆転に次ぐ逆転の展開は読んでいて爽快ったらありゃしない!
そんな池井戸潤さんの作品の中でも、是非これは読んでほしい!という私見5作をご紹介したいと思います。
どの作品も本当に面白いので、是非読んでみてくださいな!
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第5位 ルーズヴェルトゲーム
業績不振、主力選手の引き抜きなどが重なり、野球部存続の危機にあるかつての名門実業団・青島製作所による「奇跡の大逆転」を描いた作品です。
この作品の面白さは、“立場と視点”といった感じだと思います。
常に「リストラ」の恐怖が付き纏う実業団チームの宿命を背負いながら活動する選手たちの思い、野球部マネージャーの選手マネジメント力、選手の力を正確に把握し、適材適所に配置する監督の采配などなど。
このように、立場によって変わる様々な視点を描いた非常に読み応えのある作品です。
新入社員から中間管理職までの様々な立場の方に楽しんでいただける作品だと思いますので、オススメですよ〜!
第4位 七つの会議
エリートセールスマンに対して役員が下したのは理解しがたい不可解な人事。「七つの会議」により明らかになっていく驚愕の事実とは。
短編小説としても、長編小説としても楽しめる作品。
1話毎に別々の人物にスポットを当て、後半になるにつれ徐々に話が繋がっていくという伏線回収系のスタイルです。
子会社プロパー社員による会社ぐるみの不祥事が明るみになる過程を描いた本作ですが、その不祥事の証拠を集めていく過程が非常に面白い!
「七つの会議」を通して次々と話が繋がっていく展開はスピーディーかつ爽快で、時間を忘れて読む耽ること間違い無し。
ありふれた中堅メーカーの日常を舞台に、会社の意義とは何なのかを追求した傑作小説です!
第3位 鉄の骨
中堅ゼネコンに努める若手社員・富島平太が配属されたのは「談合課」と揶揄される営業部署だった。
公共事業を受注するために談合を正当化するゼネコン各社、談合を正当化する事に違和感を覚える富島。
ゼネコンに必要なのは真の技術力か。それとも政治力なのか。
公共事業を舞台にした作品は多いですが、談合を描いた作品は結構珍しいと思います。
読みどころは、ゼネコン各社の談合という陰謀に巻き込まれる富島は組織の倫理に殉ずるのか、それとも正義を貫くのかと言う点です。
また、主人公の彼女のクソ女ぶりにも注目です(笑
既得権益や政治家との繋がりなど、ゼネコンが抱える闇をとくとお楽しみあれ〜。
第2位 ロスジェネの逆襲
東京セントラル証券に出向した半沢直樹の元にIT企業の大型買収案件が舞い込む。これにより巨額の収益が見込まれたが、同案件を親会社である東京中央銀行に突如横取りされてしまう。社内での立場を失った半沢直樹は東京中央銀行に対して「倍返し」を画策する!
本作は人気シリーズ・半沢直樹の第三作です。
団塊の世代を恨むバブル世代、バブル世代を恨むロスジェネ世代という構図は、良くも悪くも現代の社会を象徴した作品かと思います。
好景気に沸き大量採用の時代に就職したバブル世代。
就職氷河期に苦しみ、就活を勝ち抜いてきたロスジェネ世代。
「大量採用の中にも使える奴はいるし、少数精鋭にも使えない奴はいる」
と部下に言った半沢直樹の言葉は非常に印象に残っています。
銀行や組織の論理だけではなく時代背景を色濃く描いた同作は、他の半沢直樹シリーズと合わせ特にオススメなので是非とも読んでみてくださいな。
第1位 空飛ぶタイヤ(上下巻)
走行中のトレーラーから突如外れたタイヤが母子を直撃。脱輪原因を調査した販売メーカーは「運送会社の整備不良」と結論付けたが、納得出来ない赤松運輸の社長・赤松徳郎は独自調査を開始する。
赤松運輸に襲いかかる大企業の倫理、組織ぐるみの隠蔽、圧倒的理不尽に対し、勇敢に立ち向かわんとする赤松運輸の運命はいかに。
2018年に長瀬さん主演で映画化されることで話題になっている本作。
それ以前にも何度か映像化されている、傑作エンターテイメントです。
大企業の不正を中小企業がぶった切るという下克上的な構図は、痛快・爽快、読んでいて興奮すること間違い無し!
巨大組織のリコール隠しという不正の実態、本質をじっくりと学ぶことが出来る本作は、娯楽的意義だけではなく、普通に勉強になると思います。
映画公開前にぜひご一読してみてくだされ。
まとめ
下手くそではありますが、私なりに池井戸さんの面白い作品をまとめてみました。
これ以外にも池井戸さんの作品は沢山あるので、興味のある方はぜひ一度読んでみてくださいな。
では。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。
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