関節リウマチの初期症状や本当の怖さ。薬以外での対策や治療法はあるの?

公開日: : 最終更新日:2017/01/17 美容・健康

      

関節リウマチは実は怖い

どうも新常です。

以前私はリウマチ専門の整形外科で理学療法士としてリハビリ業務を行っていました。
期間にして1年半くらい。

1日に数十人の方のリハビリを実施していたので、おそらく300人以上のリウマチ患者さんとお話しする機会がありました。

もう2年以上前の話なので少し記憶が薄れていますが、何かの役に立てればと思い色々と当時を思い出しながらリウマチに関する情報を共有していきたいと思います。

なるべくわかり易い言葉で解説しますが、もし理解しにくい部分があれば遠慮なくコメント欄にどうぞ。

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初期症状で多いのは?

一般的にリウマチの初期症状で多いとされているのは、熱っぽい、体がだるいなどの風邪症状に似た症状です。

ですが、私が勤めていたのは膠原病内科ではなくリウマチ科を専門とした整形外科でしたので、初期症状として圧倒的に多かったのが「手のこわばり」でした。
手が動かしにくくて整形外科を受診したらリウマチだったパターンですね。

比率でいえば「手のこわばり」が6割、「膝が痛い」が3割、「足の指の関節が動かしにくい」が1割と言ったところ。

教科書上ではリウマチの初期症状として手のこわばりを感じる人のほとんどは、「早朝に手がこわばる」と書いてありますが、実際の患者さんも6〜7割程度の割合で「早朝の手のこわばり」を感じていました。

手のこわばりにもタイプがある

手のこわばりと一口に言っても、それがどんな症状なのか?という疑問があると思います。
私の経験上ですが、手のこわばりには主に3タイプあります。

【タイプ1】

指先や手首が腫れぼったく肉厚になっているので関節が曲げにくいパターン

【タイプ2】

見た目上そこまで変性していないが、曲げたりすると軽い痺れを感じるパターン

【タイプ3】

タイプ1とタイプ2が混在しているパターン

タイプ1に関しては見た目上、「なんとなく浮腫んでるんじゃないかなー?」といった印象を受ける人が多く、タイプ2は説明文そのままです。

そして来院してきた時点で一番多いのがパターン3の人で、主訴としてよく聞かれるのが、「指先や手首が腫れぼったく曲げると痺れに似た不快感を感じる」といった悩みです。

リウマチの症状が出易いのは第二関節

実は関節リウマチには症状が出易い関節と出難い関節が存在します。

症状が顕在化し易い関節としては、心臓から遠くて動きの細かい小さな関節です。
リウマチ初期では肩より指先に、股関節より足先に症状が出易いんです。

そして、その手や足の小さな関節の中でもさらに出易い場所があります。

それは「第二関節」です。

私がリハビリを担当した人で「手の痛み」を主訴として来院された方の殆どが、「第二関節の変形」を伴っていました。
ちなみに第二関節というのは、指先を上に向けた状態で手のひらをパーにした時の上から2番目の関節のこと。

私の体感ではリウマチ患者の80%以上が「第二関節」の変形を伴っていました。

症状が左右対称に出ない人もいます

関節リウマチを疑ってネットサーフィンで情報収集をしている人も多いと思いますが、それらの情報サイトのほとんどに「左右対称で症状が出る」と書いてあると思います。

確かに教科書上ではその通りなんですが、これは人によります。

私の経験上では、左右対称に症状が出ていた人は全体の4割程度です。
確かに特徴的な症状ではありますが、どちらかといえばマイノリティーです。

この内容に関しては素人では判断が難しいと思うので、受診して医師の見解を聞くべきです。

男女比では圧倒的に女性

男女比に関しては圧倒的に女性。
私の記憶の中に男性のリウマチ患者さんはほぼいないくらい圧倒的に女性患者さんが多かったです。

病気には性差がつきものなので、こればっかりは仕方ないですね。

年齢も幅広で、一番下は20代から上は60代まで様々でしたよ。

実は関節リウマチと似た別の病気(?)があります

先ほどから説明しているように、関節リウマチの症状は手に出現することが多く、その中でも第二関節の変形を伴う場合が多いのですが、実は腱鞘炎と間違えられやすかったりします。

指が「カクンカクン」となるのが腱鞘炎の特徴ですが、一部の人にはそういった特徴的な症状がでない場合もあります。

そして関節に痛みがあるのでリウマチを疑っていざ受診してみると「これは腱鞘炎ですねー」なんて言う人がチラホラいました。

逆を言えば、腱鞘炎だと思って受診を疎かにしてはいけないということです。

リウマチは徐々に関節破壊が進む自己免疫疾患なので、発症初期の対応がとても重要です。
なので素人判断で決めつけず、指先に違和感を感じているのであればすぐに受診することをお勧めします。

なぜ早めに受診した方がいいのか?

あなたがもしリウマチを疑っているのであれば、私としては1日でも1秒でも早く専門の病院を受診すべきだと思っているんですが、それにはちゃんと理由があります。

先ほども言ったように関節リウマチは自己免疫疾患の一つなので、広義の意味でアレルギー反応と同じ部類です。

すなわち自然には治らないということです。

そして、関節リウマチのアレルギー反応は「関節を破壊する」という特徴があるので、初期段階のうちに受診して進行を防ぐ処置をしないと、最悪の場合「人工関節」に取り替える必要性が出てきます。

この場合の人工関節とは主に「ひざ関節」を指します。

症状が初期のうちに対処しておかないと、将来的にあなたのひざは人工関節に取り替える必要性が出てくるかもしれないということです。

症状初期のうちに受診しないと色々と怖いことになるかも

もうここまでで十分怖いと思うんですが、私が何より怖いと思うのはこれから。
実際に治療が始まってからの話です。

リウマチの治療の手段として主に用いられる方法は「服薬治療」です。

そして、リウマチの治療薬には症状に応じて主に3種類あります。

【段階1】

症状がまだ初期の段階であり、弱い薬でも十分に抑えられる段階。

この段階で処方される薬はNSAIDs」と呼ばれる「非ステロイド性抗炎症薬」です。
NSAIDsとは非ステロイド性抗炎症薬の英語読みの頭文字を取ったもの。

その名の通りステロイド剤では無いので、副作用が少なく比較的安全な薬になります。

そして、NSAIDsの処方と同時に「抗リウマチ薬」が処方されるのが一般的。
薬品名で言えば、「リウマトレックス」がそれにあたります。

【段階2】

症状が中期であり、強い抗炎症薬が必要な段階。

この段階で処方されるのがステロイド性の抗炎症薬です。

当然ステロイド剤なので免疫が落ちたり消化器官が荒れたりなどの副作用が出る場合があります。
そしてその中でも骨粗しょう症が有名な副作用として知られており、ステロイドの服薬と同時に骨粗しょう症を防ぐ薬を処方される人が多いです。

【段階3】

症状が進行しており、ステロイド剤でも痛みなどの症状が寛解しない段階。

この段階になると、「生物学的製剤」という薬を使用することになります。
薬品名で言えば「レミケード」「エンブレム」「アクテムラ」などがそれにあたります。

これらはステロイドよりもさらに副作用が強い薬で、私が勤めていた病院では処方されている人全員に「絶対に風邪を引かないでください」と言っていました。
そのくらい免疫力が低下してしまう恐れのある薬ということです。

そして何より、薬代がバカ高いです。

少し記憶が曖昧ですが、私が勤めていた当時で3〜4万円程度だったと記憶しています。

このように症状の段階によって処方される薬が変化していき、それと同時に副作用や薬価が上がっていきます。
なので早めの受診で白黒つけておいたほうが身体的にも経済的にも将来を助けることになるというわけです。

薬で進行を抑える以外の方法はあるのか?

これは残念ですが、「無い」と言わざるを得ないと思います。

関節リウマチは自己免疫の病気なのでいわば“体質”なので、花粉症が治らないと同じように、リウマチも自然治癒は難しいんです。

とにかく疑ってるなら受診することです。
そこを面倒くさがると本当に良い事はありません。

ただ、「リウマチかな?」と思ったその日から進行を遅らせるために心がけておくべきポイントはいくつかあります。

関節の使用は愛護的に

関節リウマチの特徴的な症状は「関節面の破壊」です。

異常な抗原抗体反応により関節面を破壊してしまい、その結果、傷ついた関節面が擦れ合うことで痛みが走るのがリウマチの特徴なので、関節面を大事にしてあげることが重要です。

具体的には、

・小さな関節より大きい関節を使う
・指先の巧緻動作は代理で行ってもらう
・急激に強い力を加えない

この3つです。

日常動作で例を挙げるとすれば、買い物袋は手で持たず肩にかける、瓶の蓋や缶ジュースの蓋は開けてもらう、雑巾は絞らないなどですね。

また、関節保護を促し痛みを軽減する補助食品として快気節というハーバード大学の医学部で開発された関節保護成分が含まれているサプリメントが販売されています。
このようなサプリメントの服用も一つの有効な手段です。

ただ、リウマチ薬との兼ね合いもあると思いますので、購入を検討する際は主治医の意見に従ってください。

お鍋や御釜を持つ時は必ず両手で

関節リウマチの特徴的な症状の一つに「尺側扁位」という症状があります。

肘から手首までを前腕と呼びます。
その前腕を構成する主な骨に尺骨と橈骨という骨があるんですが、そのうちの尺骨側に関節全体が曲がってしまうという症状です。

ちなみに小指側が尺骨、親指側が頭骨です。
すなわち指全体が小指側に曲がってしまう症状が尺側扁位というわけです。

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↑私の手で尺側扁位を再現してみました。

そして、尺側偏位を助長してしまうのが片手で鍋を持つ時の手の使い方なので、これは絶対に避けて必ず両手で持つようにしてください。

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枕を少し低くする

関節リウマチに罹患すると、頚椎の環軸関節が亜脱臼を起こしやすくなります。

ちょっと慶應のホームページを一部引用します。

また、関節リウマチでは、頭を支える頸椎が亜脱臼を起こしていることがあり、その場合には枕の高さを低くすること、起き上がりの際などに首に負担をかけないようにゆっくりと行うこと、などの注意が必要です。

引用:慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト

この記述は脱臼症状が出たことを前提に記載されていますが、関節リウマチで重要なのは「予防」なので、脱臼を防ぐために環軸関節の負担をなるべく減らしてあげることが重要です。

高すぎてもダメですし、低すぎてもダメです。
あくまで頚椎の負担が減る高さです。

理想の高さとしては、ベッド面から3㎝程度後頭部が浮く高さが良いとされています。

ちなみに、まくらるというサイト経由で購入することのできる完全オーダーメイドの「山田朱織整形外科枕」という枕がオススメ。

下に「まくらる」のリンクを張っているので、ぜひ「山田朱織整形外科」と検索してみてください。
その名の通り整形外科医が考案した枕であり、実際に寸法を測りあなたの理想的な高さに合わせてくれる完全オーダーメイド枕です。

有楽町と相模原に出張上があり、それ以外にも全国に提携クリニックがありますよ。

それ以外にも「まくらる」を利用すればあなたの住む地域で最寄のオーダーメイド枕を作ってくれる場所をまとめて観れるので、ぜひ活用してみてください。

まくらるの公式ホームページを見てみる

何よりも早めの受診を

というわけで、いろいろと私が知っている情報をお話ししてきました。

ただ、やはり自分一人ではどうにもならない病気なのでできるだけ早めに医療機関を受診することをお勧めしますよ。
早ければ早いだけ薬も弱いもので済みますし。

まだまだ情報の半分も出し切れていませんが、これ以上書くと長くなりすぎるのでこの辺で。
何か質問があれば遠慮なくコメント欄にお願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。

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Comment

  1. 入野 より:

    アクテムラやリウマチのこといろいろわかりました、私の母もアクテムラを使用しています。
    今月脳出血で倒れリハビリ病院や老健への入所を考えていますが、アクテムラを使用していると入所することが出来ません。(医療費が高額だから?)
    保険の範囲内でつかえて効果のある薬はないでしょうか

    • niitsune mune より:

      コメントありがとうございます。

      入所拒否ですか・・。

      あくまで私の予測の範疇を出ませんが、アクテムラなどの生物学的製剤を使用している場合、極端に免疫力が低下してしまうのはご存知かと思います。
      そのような極端に免疫力が落ちた方を受け入れる体制が整っていないという事なのではないでしょうか?

      ただ、脳出血発症後であればほぼ100%介護保険認定が受けられ、地域包括支援センターor居宅介護支援事業所より担当ケアマネが付く筈なので、その担当ケアマネに相談・斡旋してもらうといいですよ。
      入野さんの状況が分からないのでなんとも言えませんが、近年は入所だけでなく在宅サービスや通所サービスも増えてきているので色々と相談してみてください。

      また、言い方が悪いですが、仮に担当ケアマネがちゃんと動いてくれないのであれば担当を変えてもらうのも検討してみてください。
      事業所や担当を選ぶ権利は利用者様側にあるので、納得いかないのであればしっかりとその旨を伝えるべきです。

      アクテムラは比較的安価な生物学的製剤とはいえ、自費負担は辛い額ですよね。
      本文でも書いていますが、現在生物学的製剤の次に効果があると言われているのがステロイド製剤なんですが、おそらくステロイドでは効果が薄かったのでアクテムラが処方されたんですよね。

      なので、今一度担当の医師にステロイド製剤の相談をしてみてはどうでしょうか?
      発言に責任は持てませんが、同じステロイドでも処方される量で多少なりとも症状が寛解する可能性はあるかと思います。

      私の立場でお答えできるのはここまでです。
      お力になれずすいません。

      また何かありましたらお気軽にコメントを頂ければと思います。

  2. eimii より:

    不安の中、拝見し勉強になりました。

    膝の痛みから始まり手足のこわばりが3週間ほど続きました。
    母がリウマチというのもあり、こわばりが出始めた頃から、リウマチ、更年期障害など様々な検索をしました。
    この月曜、今日こさは病院に行こう!と決めリウマチ科がある病院に行きました。
    手足の骨には異常ありませんでした。でもリウマチの可能性大と言われています。週末に血液検査の結果とそれにより、薬、痛みに対しての対応も考えようと言われました。

    治療になるとして、薬代が…
    今はリウマチのことをもっと理解しておこうと日々過ごしてます。
    たまに考えすぎて涙が出てきたり。

    一息つくことができました。
    ありがとうございます。

    • niitsune mune より:

      コメントありがとうございます。

      薬代について一つアドバイスを。

      医療に掛かる費用はすべて医療費控除の対象になります。(上限200万円)
      ですので、病院で発行された領収書、通院にかかった交通費などは必ず保管しておいてください。

      また何かありましたらコメントいただければ幸いです。

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