理学療法実習がきつい・辛いなら逃げ出すか思考を変えるべき

公開日: : 最終更新日:2017/11/02 理学療法学生向け

      

実習辞めたいの?じゃぁ辞めちゃえばいいよ。

さて、この記事を読んでいる方の多くは学生の方でしょうか?
実習中に「辛い・辞めたい」などと検索するということは、よほど精神的な緊急事態なのでしょう。

まぁあなたが実習を辞めたいと思っている理由の大凡は分かりますよ。

学校でたっぷり3年間知識を蓄え、満を持して実習に出てみると、想像以上に話が通じない患者、知識が砂上の楼閣だったという現実、何も教えてくれない担当指導者など、理想と現実のギャップと言ったところでしょう。

自分は何のためにこの病院で実習をやっているんだ?という漠然とした、しかし大きな疑問が脳内を支配していることかと。

で、結論から言えば、そんな状況なら辞めちゃえば良いと思いますよ。
これは嫌味ではないですよ。100%本音です。

向かないと思うことを一生続けていく覚悟があるなら別ですが、その覚悟がないなら引き返すのは早い方が良い。
まだ若いんだし道はいくらでも拓けるでしょうし。

もしその勇気がないなら、少しだけ思考を変えてみましょうや。

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そもそもリハの実習には無理がある

皆さんは実習を“お願いしている立場”として、特に何も疑問に思わないかもしれませんが、そもそもリハの実習体系には無理がありすぎるんですよ。

指導者として何の教育も受けていない人が平然と学生の実習指導を行い、採点し、学校の判定基準にまで影響を及ぼすのはどう考えてもおかしな話なんです。

第一、教員があなたの採点を行い合否を決めるならまだしも、実習指導者の裁量で合否が決まるなんて納得いかないでしょ?

指導を受ける側はもちろんの事、指導を行う側の人間も“一人の人生の岐路を任せれている”という意識を持たないといけないはずなのに、現場も教育機関も双方に責任を丸投げしてるんですよ。

ぶっちゃけ、指導者側は指導した学生のその後の人生なんか知ったこっちゃないわけです。

逆に、教育機関側の人間は現場の指導者がそう判断したんだからそれに従うしかないでしょ?だって実習の全部を見たわけじゃないんだから、と周到な言い訳を用意してるわけですね。

このように双方が責任を放棄しているので、リハの実習なんて最初から無理があるんですよ。

それに加え冒頭でも言ったように、教育する事の“教育”を受けてない人間が自分の価値観だけで学生を指導してるわけですから、ある意味あなたが精神的に追い込まれるのは出来レース的な所もあるんです。

つーか、法的にどうなのよ?

そもそも実習の意義ってなんなんだろうか?という所から考えなきゃいけないかもしれませんが、医療の現場ですから、単に楽しいだけの実習だけではダメですよね。

曲がりなりにも命を扱う現場で、責任ある立場になろうとしてるわけですし。

ただね、他人の命に対して責任を負うのは国家資格を取ってからの話でいいと思うんですよ。

つまり、学生の段階で他人の命に対して法的責任を問われる立場に晒すのは如何なものなのか?という疑問が浮かび上がるわけです。

もちろん道義的責任を負う必要はあるでしょうが、法的責任まではいきすぎだと思ってるんですね。

・・・?
何のことを言ってるのか分からない人も多いと思うので、もっと端的に伝えると、

学生に患者を触らせるのは法的に認められてるの?

って事です。

他人の体を触る行為自体は相手の同意があれば問題ないのでしょうが、「理学療法士の学生として、医師の指示のもとで理学療法を実施する」事は問題ないのかねって話。

仮に事故があった時に責任の所在は?
まさか学生だけに負わせるわけじゃないよね?

それに、「実習生だか何だか知らないけど、患者さんは貴方を先生としてみてるんだからね!」なんて言葉が常套句になりつつありますが、この認識は大問題でしょ。

100歩譲って法的に問題が無いとしても、学生が担当する事のリスク、その際の監督責任の説明を患者側にはしてるんか?

あえて学生であるという事を強調する必要はないと思いますが、あくまで国家資格を持たない学生がリハビリを担当するわけで、不慮の事故が起こる可能性だって考えられるわけです。

それを、

「来週から学生さんが来るんだけど、〇〇さんのリハビリを手伝ってもらおうと思ってるんだけど良い?」
「レポートとして記録が残るけどいいかな?」
「もし問題なければ、この同意書にサインしてもらって良い?」

と、この程度の定型的な説明で済ませてないでしょうね?
こんなお粗末な説明で説明責任を果たしたとでも?

それらの説明責任を果たさず、万が一事故が起こった際に「学生に自覚が足りなかった」「学生の技量不足だった」「学生の注意不足だった」などという指導者側の自己欺瞞で片付けていいはずが無い。

ましてやそれが原因で不利な判定が下って退学になるようなら、指導者側の人間だって懲戒解雇くらいしてもらわんと納得いかないでしょ?

やっぱリハの実習体系には甚だ疑問ですわ。

なぜ学生にこんな事を伝えるのか?

さて、ここまで実習をボロクソに叩いている私はよほど実習中に嫌な思いをしたのでは?と勘ぐってる人も多いと思います。

ですが、実はそれとは正反対に実習は難なく通過した口なんです。

それに今まで語ってきたことは実体験ではなく、あくまで自分が学生の頃から疑問に思っていたリハ実習の疑問点を文章にしただけなんです。
半分以上が妄想だったりしますが、それでも現実からは遠からずと言ったところでしょう。

ただ、そうなると私が現状に相当な不満を抱いているように感じるかもしれませんが、それも否です。
ぶっちゃけ現状に何の不満もありません。

では、なぜこんな事を語るのか?

それは、実習は不条理であり、知らずに重い責任を負わされている、という実態を知っておいて欲しかったからです。

もっと分かりやすく言えば、実習が辛いのは当たり前なんだぜ?だって指導者の自己満なんだから、という事です。

あなたに豊富な知識があれば「なんだこいつは!クッソ生意気だな!」と重箱の隅を突かれ、逆に知識がないと「なんだこいつは!全く勉強してないじゃないか!」と罵られる。

つまり、あなたが学生という弱者の立場である以上どっちにしても罵られるんですw

それを知った上で辞めたい人は辞めるべきだし、耐えると決めた人は歯を食いしばって頑張るしかないという現実をお伝えしたかったんです。

不条理といったのは、指導者の裁量であなたの命運が左右されるという意味の不条理であり、そのことに抗えないという不条理でもあります。

一方、重たい責任というのは、患者一人を担当する際の“道義的責任”の事です。

あえて法的とはしませんよ。
前述しているように、私は学生に法的な責任を負わせる必要は無いと考えてる口ですから。

ですが、一人の患者の将来を左右するかもしれないという、道義的責任は感じて欲しい。

その責任を負えないなら、やはり辞めて別の道を探す方が貴方の為になると思います。

国家資格を取って現場で働き始めれば、道義的だけではなく法的にも責任を負わないといけなくなりますから。

逃げるのも一つの手であるわけだ

辞める、逃げるというとネガティブなイメージが付き纏うかもしれませんが、そこはもう少し前向きに捉えてもいいのかなーと。

指導者と折りが合わない場合、解決方法は一つしか無いんです。

それは、どっちにしてもあなたが折れるしかない、ということです。

不条理に抗えば実習は間違いなく不合格、不条理に従えば精神的なダメージを受ける代わりに”合格かもしれない”わけです。

つまり、あなたの運命は憎っくき指導者の手の中というわけですね。

だから続けるにしても辞めるにしても、どのみちあなたが折れるしかないんですよ。
相手に変化を求めるのは無駄の極みでしかありません。

不条理に耐えるだけの価値があるなら耐えれば良い。
価値が無いと思うなら辞めれば良いわけです。

ただ、お金の価値は将来の価値から割り引いて計算することが出来ますが、人間の価値は将来から割り引いて考えることが出来ませんよね。
いくら考えても正しい答えは出ないわけです。

なので、ぶっちゃけある程度衝動的な行動でもいいと思っています。

そして、その時の行動が正しかったか否かは時間が経たないと分からないのが真理でしょう。

それに、2か月の不条理に耐えることを短く感じる人もいれば、長く感じる人もいますよね?
要は個人の価値観・精神力によってストレス耐性に違いがあるってことです。

そもそもストレスを定量化するなんて無理難題でしょうから、他人の「たった2か月なんだから頑張れよ!」という言葉を盲目的に信じるのはヨロシクないわけです。

いつ、どこで、どのタイミグで爆発するか分からないなら、正式な手続きを踏んだ上で逃げちゃえばいいじゃない。
自分を守れるのは自分自身、社会に出たら誰も守ってくれないのさ。

もちろん、あなた自身も逃げ癖が付かないようにしっかりと自戒する必要はありますけどね。

医学は科学、医療は人間学

とは言えですよ、実際に逃げ出す勇気がある人なんて10人に1人もいないのが実情ですね。
何だかんだで今まで犠牲にしてきた費用や時間が頭にチラつくのが人間ってもんでしょう。

そうなると辞めように今更辞められないわけで、ひたすら2か月の苦行を耐え抜くしか選択肢がないわけです。

ただ、そんな悶々とした気持ちを抱えての2か月は相当なストレスでしょうから、少し医療という言葉の概念を考え直してみてはどうでしょうか?

私の好きな小説の一節に「医学は科学、医療は人間学」という言葉があります。

ビギナーズラックという言葉を聞いた事があると思いますが、皆さんはその言葉を信じますか?

実は住販などでは、営業1年目の人が大型契約、いわゆるビギナーズラックを取ってくるケースが少なくありません。
これはルーキーらしい爽やかさが買い手にも伝わるからだと言われています。

つまり、一生懸命接すれば相手にも伝わるというわけですね。

それと同じで、現段階で知識が少ないのは仕方ないので、今はあなたの人間性で知識が無いのを補いましょう。

現場は医学ではなく医療です。
科学ではなく人間学です。

人と人との触れ合いなので、患者さんが情に絆されるという事もあるでしょう。

患者が抱いた好印象はやがて別の患者に波及し、その担当者に波及し、巡り巡って自分の実習担当者の耳に入る事もあるでしょう。
経済学で言うところの、乗数効果ってやつです。

担当指導者が何を言っても分かってくれない人の場合は、周りに味方を沢山つければいいんですよ。
あなたを落とせない空気を作ってやりましょうや。

そのやり方は簡単です。

目の前の患者さんに誠心誠意、全身全霊をかけて接すればいいだけなんですから。
医療は科学ではなく人間学ですよ。

もう頑張るしかないよね

というわけで、私がこの記事で言いたかったのは、

実習が辛いのは当たり前

という事だったんですね。

月並みですが、頑張れ!としか言えんのですわ。

ただ、辛い事に対して着の身着のまま体当たりするのは無謀すぎるので、幾らか精神的な支柱となる教訓を持っておけば?というコンセプトだったわけです。

「なんでこんな指導者に当たっちゃったんだ・・」と思うより、「あーやっぱり指導者ってこんな感じの欺瞞野郎ばっかりなんだなー」と思っていた方が、幾分か気が楽でしょ?

あと、実習中に寝られない人がいるらしいですが、それはよほど課題が多いということなんでしょうか?

睡眠時間が減る⇨レポートの内容がまとまらない⇨指導者に怒られる⇨課題を出される⇨凹んでやる気が出ずに課題を完遂できない⇨怒られる⇨以下無限ループ

こんな感じの悪循環が起きてしまうことが考えられるので、まずは睡眠時間が少なくなっている理由を分析するのも一つの手じゃないですか?

課題が片付かないなら、あなたの作業順に問題があるのかもしれません。
調べ物がスムーズにいかないのは、参考書の索引が下手くそなのかもしれません。
考えがまとまらないのは、要点をメモしてないからかもしれません。
要点をメモしていないのは、実習中にぼーっとしてるからかもしれません。

では、ぼーっとしてしまう理由は?

それは寝不足が原因でしょう。

これで寝不足と作業効率の低下の因果関係がはっきりしましたよね?

なので、寝不足を解消するために色々と考えてみると、作業効率が一気に向上すると思いますよ。

まとめ

いやー、久しぶりに理学療法関連の記事を書きましたが、なんか個人的な愚痴みたいな感じになっちゃいました。

考えてみれば、現役の理学療法士として働いているのに、やれ乃木坂だ、やれ小説だなどと、あまりまともな記事を書いていなかったように思います。
まぁしょうがないよねー、乃木坂も小説も好きなんだもん。

一応の名誉のために言っておきますが、指導者の全員が不条理な人とは限りません。
良い人もいれば、悪い人もいる。

ただ、どのタイプの人に当たるかわからないから心の準備はしておくべきですよ、という事を言いたかったわけです。

では、何か質問などがあればコメント欄にオネシャス。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
お役に立てれば光栄です。

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